【STEP5】感情を動かす側の話
ここまで来たあなたは、もう「普通の発信者」じゃないです。
・STEP1で読者目線を学んだ
・STEP2でフックを学んだ
・STEP3でギザりの作り方を学んだ
・STEP4で着地点の設計を学んだ
上記のことから
読者の感情をコントロールできる立場になったということです。
それは同時に、使い方を間違えると人を傷つけられる立場になったということでもあります。
ここまでは「どう書くか」の話をしてきました。
STEP5は少し違う話をします。「何のために書くか」です。技術を持った人間だけが直面する問い。
人間の脳はバグりやすい

少し怖い話をします。
人間の脳は、ネガティブな情報に強く反応するように設計されています。
これは太古の時代からの名残です。
「あの山道は崖が崩れる」「あの川には人食い熊がいる」。生き延びるために、危険情報を素早くキャッチする必要があった。だから人間の脳は、平和なニュースより危険なニュースに、嬉しい話よりショッキングな話に、本能的に引き寄せられる。
SNSはその仕組みをフルに使っている
炎上、暴露、不安を煽る情報。

これらが拡散されやすいのは、コンテンツとして優れているからじゃないです。
人間の脳の弱点を突いているからです。怖いから見てしまう。腹が立つから反応してしまう。そういう仕組みです。
さらにSNSのアルゴリズムは、自分が反応したコンテンツに似たものを優先的に表示します。
不安系の投稿に反応すると、不安系ばかりが流れてくる。すると「やっぱり世の中はヤバいんだ」という確信がどんどん強まる。気づかないうちに洗脳されていく。

これがSNSの怖い部分です。
そして発信者である、あなたは今、この仕組みを使える立場にいます。
これは能力です。同時に、使い方を問われる能力でもあります。
俗に言う、「悪用厳禁」ですね。
感情を煽る一番簡単な方法

不安を煽ることは、技術的に難しくないです。
「このまま会社員を続けていると、10年後に後悔します」
「今動かない人間は、これから先ずっと貧乏のままです」
「知らないと損する情報をこっそり教えます」
こういった文章は書こうと思えば誰でも書けます。
しかも反応が取れる。いいねもDMも来る。
STEP4で学んだ「着地点の設計」を使えば、不安を着地点にすることも技術的には可能です。
読者を怖がらせて、その解決策として自分の商品を提示する。この構図で実際に稼いでいる人間がSNSにはいます。
でも少し考えてみてください。
読んだ人の頭の中に何を残しましたか?「不安」ですよね。その不安を解消するためにあなたのコンサルを買わせる、という構図です。
傷口を自分で作って、自分で薬を売る。倫理的にアウトとは言いきれないけど、長期的に信用を積み上げていくやり方ではない。
一度その手法に依存すると、次の投稿でも不安を煽らないと反応が取れなくなる。麻薬と同じ構造です。

そもそも、そういう発信は読んでいる人がシンドイ。
「この人の投稿を見ると、なんか疲れる」という感覚は、読者が無意識に気づいているサインです。短期的には売れても、長期的にはフォローを外される方向に進みます。
じゃあ、綺麗事を言えばいいのか

結論として、綺麗事もダメです。
「家族のために」
「誰かの役に立ちたい」
「一人でも多くの人を幸せに」
こういった言葉は、読者に半笑いでスルーされます。使われすぎて、もう誰も信じていない言葉だからです。
実際、こういった言葉が出てくると読者の頭の中に

『このひと稼ぎたいだけでしょ』
という声が流れます。
人間は意外と正直で、動機を見抜く。
不安を煽るのもダメ、綺麗事もダメ。では何を書けばいいのか…?
正直な欲望を書けばいい
「もっと稼ぎたいから、発信を始めました」
「時間の自由が欲しいから、副業をやっています」
「正直、承認欲求もあります」
こういった本音の方が、読者の信頼を得られます。
それはなぜか?
バレバレじゃないからです。
不安を煽る文章も、綺麗事の文章も、読者には「狙い」が透けて見えます。
でも正直な欲望は透けない。「この人、ちゃんと本音を言ってる」という感覚になる。それが信頼になります。

人間の脳はネガティブ情報に反応しやすい一方で、「正直さ」にも強く反応します。嘘をついている人間を見抜こうとする本能が、人間には備わっているからです。だから正直な発信は、無意識レベルで信頼されやすい。
感情を動かす技術は、正直であるほど力を発揮します。
長期的に生き残るのはどっちか

短期的に稼ぐなら、不安を煽る手法は効きます。
でも3年後、5年後にどうなっているか…
SNSで長く続けている発信者を見てください。共通点があります。倫理的にグレーな手法に頼っていない人ほど、長く残っています。
理由は単純で、読者がいなくなるからです。不安を煽り続ける発信者は、フォロワーが「なんか疲れた」「こういうの見るのやめよう」と静かに離れていく。
炎上で一時的に数字が伸びても、信頼は積み上がらない。
信頼がなければ商品は売れない
逆に言うと、正直に、倫理的にやっている人間は遅く見えても確実に積み上がっています。
3年前から地道に発信していた人が、今になって「あの人、最近急に伸びたな」と見られるのは、実は急じゃなくて積み上げが表面に出てきただけです。信頼は、ある閾値を超えると一気に可視化されます。
感情を動かす技術は、信頼を積み上げるために使うものです。

読者の感情を動かして「この人は本物だ」と思わせる。「この人の言うことを信じてみようかな」と思わせる。「この人から買いたい」と思わせる。
その順番で積み上げていく。
不安を煽って「怖い、だから買う」という順番ではない。
発信する前に一秒だけ考える

あなたが今書こうとしている投稿は、読んだ人の頭に何を残しますか?
不安ですか。怒りですか。
それとも「面白い」「やってみよう」「この人信用できる」でしょうか。
残す感情の種類を、一秒だけ確認する。

その一秒が、積み上げになるかどうかを決めます。
STEP4で「着地点を決めてから書く」という話をしました。その着地点が、読者にとって健全かどうかを確認する習慣を持てると、発信の方向が変わります。
技術があるから、なおさら意識する必要があります。
包丁は料理を作るための道具です。でも使い方を間違えれば人を傷つける。技術が高くなるほど、この意識は大事になります。
時空の章はここで終わりです。
STEP1から5まで通して読んだあなたは、文章の技術だけでなく、文章を使う姿勢まで手に入れました。
読者目線で書く、フックで引き込む、ギザりで感情を揺らす、着地点を設計する、そして感情を動かす立場の責任を持つ。
次の四海の章では、この技術を使った心理操作をメインにお伝えします。
技術と倫理、両方揃ったあなたはもうそこに進む準備ができています。
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